揚げ物をした油で飛行機が飛ぶ!?
天ぷらやフライなど、揚げ物に使った油の再利用法。なんと飛行機を飛ばす燃料としても使えるのです。この燃料が、今開発されている「SAF」です。
SAFとは「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略で、現在、その主な原料として揚げ物などの調理に使ったあとの油(廃食油)が多く使用されています。そのほか、コーンやサトウキビなどを発酵させたアルコールから作る油(第1世代バイオエタノール)、古紙などの油分から作る油(第2世代エタノール)、廃プラスチックなどのゴミから作る油、二酸化炭素(CO2)と水素を合成して作る油など、循環型の原料から製造する航空燃料のことです。
飛行機はCO2の排出量が多い乗り物です。政府は2020年10月に「カーボンニュートラル」(2050年までに温室効果ガスの排出量から植林、森林管理などによる吸収量を差し引いた合計をゼロにすること)を宣言しました。この実現のためにはさまざまな課題がありますが、その一つが飛行機から排出されるCO2の削減です。SAFは従来の燃料と比べて最大で約80%のCO2削減効果があると期待されており、カーボンニュートラル実現のための希望ともいうべき燃料なのです。
従来、飛行機に使用されている燃料は、地下に貯まっている原油を精製して作られていますので、この燃料を使うと、大気中のCO2が増え続けてしまいます。一方、SAFは主に廃食油などに含まれる炭素から製造されます。その元となる植物は光合成を行う際に大気中のCO2を吸収するため、SAFの燃焼によりCO2を排出しても、植物の光合成により、大気中のCO2をほとんど増やさずに飛行機を飛ばせるのです。SAFは炭素資源の循環を利用した航空燃料なのです。

SAFには従来の航空燃料に比べて製造に手間とコストがかかるというデメリットがありますが、「CO2排出量を大幅に削減できる」「既存の航空機を使える」「海外からの輸入に頼らず、国産原料で国内生産ができる」等、たくさんのメリットがあります。全国各地のスーパーマーケットや公共施設には専用の廃食油回収BOXを常設している所がありますので、家庭で集めた廃食油を流し込んで、SAFの製造に協力してみてはいかがでしょうか。
