まめ知識

リトマス紙は何でできている?

 液体が酸性かアルカリ性かを調べるときに使うリトマス紙(リトマス試験紙)は、青色紙が赤色に変化すれば酸性、赤色紙が青色に変化すればアルカリ性を示します。ところでこのリトマス紙が青色と赤色の理由は? そして、何からできているのでしょう?

 本題の前に、酸性とアルカリ性について説明します。酸性・アルカリ性とは、水溶液(物質を水に溶かした液)の性質を表す言葉で、一般に、食酢のようにすっぱい味のするものが酸性、灰を水に溶かした灰汁(あく)や石鹸水のように苦い味のするものがアルカリ性です。ちなみにアルカリ性の「アルカリ」は、アラビア語で「灰」を意味する「al-qily」に由来しています。

 酸性とアルカリ性には、その性質を示す原因物質があります。酸性を示す原因物質は水素イオン(H+)で、酸が水に溶けると水素イオンを放出し、これが「すっぱさ」のもとになります。アルカリ性を示す原因物質は水酸化物イオン(OH)で、アルカリが水に溶けると水酸化物イオンを放出し、これが苦味や滑り感などのもとになります。酸性とアルカリ性には強弱があり、その強さの違いをpH(ピーエイチ)(「potential hydrogen(水素イオン指数)」の略)という0から14の数字で表します。pHでは、7を中性とし、7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性としています。pH7よりも値が小さいほど酸性が強く、値が大きいほどアルカリ性が強くなります。

豆知識原稿 phイラスト

 では、リトマス紙の色と原料の話に戻ります。リトマス紙の原料は、地中海沿岸などに自生するリトマスゴケという地衣類(菌類と藻類の複合体)の一種で、紫色の色素を含み、かつては染料として使われていました。この色素をリトマスと言います。リトマスゴケを発見したのは、アルナルドゥス・デ・ビラ・ノバ(1235年頃〜1313年頃)という医師・薬剤師で、鍛金術師、占星術師とも言われてきた人物です。リトマスゴケを細かく砕くと青い粉になり、それを水に溶かすと青紫色の水溶液になります。この液体を紙に染み込ませて乾燥させれば、青いリトマス紙の完成です。赤いリトマス紙を作るときは、青紫色の水溶液に食酢など酸性の液体を加えると赤い液体になるので、これを紙に染み込ませて乾燥させます。なお、現在のリトマス紙は、リトマス色素自体を化学的に合成して作るのが一般的です。

 また、紫キャベツ、茄子の皮、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンという色素は、酸性で赤色、アルカリ性で緑色、中性で紫色を示します。アルカリ性では色素が壊れやすく、しばらくすると黄色に変色しますが、リトマス紙の代替になる手に入れやすい色素です。

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